映画な談話室

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補足 - 忠さん

2017/02/11 (Sat) 00:52:23
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私がこれからオススメする映画は、DVDレンタルで鑑賞できるものを選びんでいくつもりです。関心を持たれた方に実際に観て頂きたいからです。

ご覧になられた方は気楽に感想をお寄せください。

同じテーマで、他にこんな映画がありますよ、という紹介も大歓迎です。


「アラバマ物語」の補足をします。
タイトルはアメリカの南部の「アラバマ州」を指します。
アメリカでは、1950年代から1960年代にかけて、黒人(アフリカ系アメリカ人)が、公民権の適用と人種差別の解消を求めて「公民権運動」が盛んになりました。中でも人種差別を象徴するような事件が「アラバマ」で起きました。以下の事件の概要はネットより引用。

「モントゴメリー・バス・ボイコット」
 1955年12月1日にアラバマ州モントゴメリーで、黒人女性のローザ・パークスが公営バスの「白人専用および優先座席」に座ったことに対して、白人の運転手のジェイムズ・ブレイクが白人客に席を譲るよう命じたが、パークスがこれを拒否したため、「人種分離法」違反で警察官に逮捕され投獄、後にモンゴメリー市役所内の州簡易裁判所で罰金刑を宣告される事件が起きた。
この事件に抗議して、マーティン・ルーサー・キング牧師らがモントゴメリー市民に対して、1年にわたるバス・ボイコットを呼びかける運動を展開した。この呼びかけに対して、黒人のみならず運動の意義に共感する他の有色人種、さらには白人までもがボイコットに参加し、後にこの運動は「モントゴメリー・バス・ボイコット」と呼ばれることとなる。
この運動は全米に大きな反響を呼び、1956年には、合衆国最高裁判所が「バス車内における人種分離(=白人専用および優先座席)」を違憲とする判決を出すと、アラバマ州をはじめとする南部諸州各地で黒人の反人種差別運動が盛り上がりを見せた。

 つまり、映画の舞台である「アラバマ」は人種差別のもっとも象徴的な州としての意味が込められています。また、人種差別に立ち向かう白人の弁護士に役に、「ローマの休日」(1953年)でアメリカを代表する俳優になったグレゴリーペックを起用したところにも、この作品の制作者の意図があったと思います。

Re: 補足 - hirop URL

2017/02/11 (Sat) 12:14:10
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 僕のかつての上司で、アメリカ映画でうず高く積まれた廃車の山を見て、かの国の豊かさに憧れた、という人がいました。そういった、「世代の抱くイメージ」があるのでしょう。さらに上の世代になると、「ごっつい国と戦争したんだなぁ」なんて言う人がいます(笑)

 さて人種問題というテーマの作品ですが、僕は「ミシシッピー・バーニング」(1989年)が印象に残っています。
参考:http://movie.walkerplus.com/mv8688/
 1964年に起きた学生の失踪事件を元にした作品で、これが実話だっていうのだから、上に書いた憧れとは正反対の意味で「アメリカってすげぇ!」と思いました。
 JFK暗殺の2年後、東京オリンピックの年、6年後には大阪万博…という時代に、こんな狭量な風潮がずっと残っていたんですね。
 ラングストン・ヒューズの詩(例えば「メリーゴーラウンド」とか)などで少しはわかったつもりでしたが、映像で見せられると、びっくりするくらいあからさまな差別が行われていたのだとわかります。
 それと、田舎町の人々の態度。都会育ちの若いFBI捜査官は、黒人に話しかけるのに抵抗がないけれど、それが後にとんでもない結果を引き起こしてしまうところなど、なんか、最近のかの国の有り様を連想させてしまいます。

 結局、暴力と略奪と差別でできあがってきた国なのかな、という印象。それに比べて日本は…というつもりはありませんが、「社会の底には暴力がある」というサム・ペキンパー監督の言葉を思い出します。
 おっと、これは別作品なので、詳細はまたの機会に。

訂正(Re: 補足) - 忠さん URL

2017/02/12 (Sun) 19:06:33
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上記の記事「補足」の中の以下の箇所に誤りがありましたので、訂正します。

(誤)「アラバマ物語」の補足をします。
タイトルはアメリカの南部の「アラバマ州」を指します。

(正)「アラバマ物語」の補足をします。
作品の舞台となったのは、アメリカの南部の「アラバマ州」です。

 不正確な表現をしてしまいました。 この映画の原題は「To Kill a Mockingbird」(訳は「物まね鳥を殺すこと」)で、邦題では「アラバマ物語」と変更されていました。だから、タイトルとしての「アラバマ」ではなく、作品の舞台として「アラバマ」が設定されているところに深い意味があったのだといえます。
 ついでに、映画について若干の補足をしておきます。
①映画の原作は、女流作家・ハーパー・リーが自身の体験に基づいて1960年に書き上げた小説だそうです。小説の舞台は世界恐慌後の1930年代のアメリカ社会に人種差別が色濃く残っていた時代です。出版後ベストセラーとなり、ピューリッツアー賞を受賞しました。いわゆる「ベストセラー小説の映画化」なのですが、小説は読んでいませんが、映画はすばらしい出来映えの作品と評価できます。1930年の時代状況と公民権運動が盛んになった1960年代が重なり、物語はハッピーエンドにはならなかったけれど、「アメリカの正義と勇気」が明確に描かれていたと思います。
②この映画の原題にある「 Mockingbird」はアメリカ南部に生息する鳥であり、この小説を読んだ人のネット書き込みによる、この鳥は「社会的弱者」を指す例えとして用いられているそうです。

※ 同じスレッド内のテーマであるため、管理人の責任で書き込みを移動しました。ご了承ください。 by hirop

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