映画な談話室

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パッチギ! - hirop URL

2017/07/03 (Mon) 19:09:38
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 久しぶりに「パッチギ!」(2004年、井筒和幸監督)を観た。
 この映画、「最初は騒がしいだけだと思うのに、3回目に観るとしわっと染みて泣けてくる」と言った人がいたけど、本当にそう。
 特に終盤、桃子の出産と、喧嘩とラジオ番組「フォーク合戦」の収録とのカットバック。ショーン・ペンの「インディアン・ランナー」を髣髴とさせる、たたみかけるような展開が心に染みる。

 ポピュリズムだの自国第一主義だの、憎悪と不寛容が支配している今のご時世、歴史も学ばず、異文化に理解も、他者に対する想像力も失ったかのような僕たちの反知性を恥じてしまう。

 映画を観た勢いというか、ホン・ヨンウン(洪 栄雄)を思い出した。
 僕と同世代で、「在日」を歌い続けたシンガー。2003年に亡くなった。
 20代の頃、神戸と尼崎で2回、彼の歌を目の前で聴いた経験がある。
 当時は僕もギターを抱えて歌っていたけれど、彼の歌声の後では、社会風刺も政治批判も、恥ずかしくって歌えない。ああ、俺たちはなんて「のどかな生き方」をしてるんだと、恥じ入るばかりだった。

 彼の作品に「走れ背番号10番」という歌がある。「張本勲に捧げる」と、サブタイトルが付いているように、韓国出身でジャイアンツのスター選手だった、張本勲さんを歌ったもの。
 彼はギターのチューニングが下手で、和音がどこか乱れてたりするんだけど、そんなやや不協和音気味のギターをかき鳴らし、投げつけられた言葉に衝撃を受けた。

  背番号10番が走る 俺の怒りと悲しみ持って
  おーい打てよ 打ち続けろよ
  おーい北を撃てよ おーい南を撃てよ
  おーい日本人を撃てよ おーい俺を撃てよ

 Youtubeにはエレキバージョンがアップされているが(歌詞は上記と少し異なる)、生ギターで呻くように唸るように、そして叫びながら歌っていた彼の姿を今も覚えている。

 https://www.youtube.com/watch?v=V4KpBmwiUJQ

 「パッチギ!」は、彼の亡くなった翌年に公開された。生きていたら、どんな感想を語っただろう?

Re: パッチギ! - hirop URL

2017/07/21 (Fri) 12:17:42
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追記:
 「パッチギ!」の中でラジオ局のディレクター(大友康平)が上司(松澤一之)と言い合わそうシーン。
 上司がディレクターを「非正規社員」と罵ると、ディレクターが上司に「コネ入社!」と言い返す。
 これって、1997年公開の韓国映画「シュリ」(カン・ジェギュ監督)へのオマージュだよね?

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